2014 年 12 月 24 日

ハスラーリフトアップ 2

Filed under: 語り — admin @ 9:00 PM

2014年も、もう終わりになります。

今年は、ハスラーキット作りで始まり「あっという間」に終わりです。

キット販売から6ヶ月やっとキット製作も進んで来ました。

最初に、デモカーに装着して2万キロ走りましたが、何も問題は有りません。

ショックも、やっと「勿論、ビルシュタイン」ですが、完成し、これは、とりあえず「何回も試作の繰り返し」で、かなり苦戦しました。

まあ、今回は「部品・キット作り」に関する事について、ふれたいと思います。

ハスラーが当社に入ったのは、今年の1月。

来てからすぐに、足廻りとか、まず、バラバラになり、タイヤハウスなど色々と見て「開発プロジェクトがスタート」しました。

サスのストロークのなさから、スプリングで上げるには「あまりにも限界がなく」それをテストするのは、簡単で25ミリ位スプリングの中にスペーサーを入れて走っただけで、フロントショックが伸びきり足がひっぱられゴツゴツと音が出ました。勿論、ノーマルでも出るのですが「ちょっとした歩道の段差」などでも、ゴツゴツと音がなってしまい、ちょっとビックリ!

特に、北海道は、アスファルトでも雪により、段差ができて、車体の接地からの伸びる側へのストロークがないと快適に走れません

これは、今までの当社の考え方を 変更することは出来ません。

リアは、まだ「リジットサス」なので、ショックを少し伸ばすとかで対応は出来ますが、フロントに関しては、キャンバーとキャスターの兼ね合いもあり、そのままショックを、伸ばしたら、まっすぐ走る事が出来ません。

キャンバーは、まだ「偏芯ボルトなど」を、使えば何とかなっても、ハスラーのタイプの方式だと「キャスター」が、まったく起きて「直線性能」が、安定せず「ふらふらする車」になります。

この問題は、最近、色々な車の車高を上げるキットがあり、以前から、「修正してほしいと依頼や問い合わせ」がありました。

特に、酷いのは、そのリスクを、お客さんには「言わない!!」

乗ってみて、初めて「判る」事。

そして、相談すると「車高を上げるとなります」との一言で終わり、また、そのリスクを聞いたうえで車高を上げている人もいます。

じゃーラリーカーや競技・車両はどうか?

たとえば、長距離「一般道を走る場合」は、ロアアームを延長したり、キャッバーを調整タイプに変更したりとか、色々と、リスクを計算しながら「足回りを製作」します。

ハンドルの切れを良くするために、わざと「キャンバー」を、つけたりとかも、考えが有りやっています。

ちょっと、話しが長くなりましたが、ハスラーの足廻りは、スプリングでは「限界」がありと言う結論が、8300プロジェクトではなりました。

そうなると、メンバーリフトアップ。

しかも、必ず、ずれる事が前提の「フロントショックの取付け部分」は、ノーマル位置で、尚、キャンバー・キャスターも、ノーマルの範囲。

そして、調整も若干出来る、この条件をクリアした製品と言うのは「簡単だけど・・・・ (笑)」

いざ作るとなると、さあ大変!!

そこで、チャンプ親父。

まあ、彼とは「とにかく、長い・・長い・・付き合い」で、車の改造・足廻りの話しをすると、いつも終わりません。

チャンプ親父の凄い所は「無理な部品の図面や構造の物」を作ってしまい、尚かつ、強度から材質の選択までしてしまう。

まあ、そんなところから「ハスラー」を、バラバラしながら、試作がスタート。

約1ヶ月で、何とか部品の完成。

それから、1万キロテスト。

それは、北見・札幌を「往復10回」「岩手・仙台」まで走行で達成。

そして、行き先で「試乗会」も行い、商品をリリースして販売。

とにかく「あっ」という間の4ヶ月でした。

特に、試乗会では「まっすぐ走りますねー」 これには、意外とビックリ!

製作した「8300プロジェクト」では、当然、まっすぐ走ることが当たり前で、何故そうなるのかが「逆に」判りませんでした。

そうして、色々と話しを聞くと「この手法でフロントストラットの頭に、ブロックを入れたら、キャンバー・キャスターが、取れないのが前提」で、 と言うことは、普通に走れないのが「当たり前」で、色々なキットが存在しているようで、そんな「ふらふらする」状態では、とくに、北海道のアイスバーンは、走れません!

最近では、アライメント調整は、当たり前で「どこのショップでも、やっています」

まあ、色々と「ただ、車高を上げればいい」と言う発想と、「ノーマルの足廻りのまま、ドライブシャフトも、無理な角度に成らず、普通に走れる改造部品」が、パドックハスラーリフトアップキットです。

特に、セカンドカーで「冬の雪など」で、今までは、しょうがなく、ジムニーを「ノーマルで乗っている」ユーザー、もし「ジムニーの4ドア」があればとか、そんな方からも 問い合わせがきています。

タイヤ関しては、175-80-15がお勧めです。

これは、どうしても「タイヤ外形が大きくなると、どうしても、加速が悪くなるのと、燃費が落ちます」

11月には、どうしても「175-80-16」まあこれは、ジムニーのノーマルサイズですが、 履きたいというための6インチアップキットも、もう一台のハスラーでテスト中です。

製品は、2月末か3月頭には、興味のあるかたは、ご相談を。

勿論、このキットも「フロント、キャンバー・キャスター」も、調整可能です。

キットの内容などは、ホームページなどを参考に見ていただきたいと思います。

さあ、次にビルシュタイン特注ハスラー用ショックについて。

とにかく、減衰力のテストは「かなり、何回もやり直し」を、繰り返し「やっと、良いところ」が出ました。

ハスラーは、特に、車重が軽いクルマなので、変化が大きく、特に、バネレートにも敏感で、最初の段階では、スプリングも同時に、試作も作り進めていたので、合計で4タイプぐらいの、セッティングを作り、バネの組み換え、それぞれ、前後での、ショック組み合わせ交換を入れたら、正直いやになるぐらいの交換をしても、なかなか、納得出来ず、息子とも話し合い「とりあえず、バネは、ノーマル」に戻し、車高を特にスプリングで上げると、どうしても、快適に走るための、有効ストローク、特にフロントが足りなくなり どうしても、「足がひっぱられる感じ」が納得いかず、これは、たとえば、10センチのストロークがあるとしたら、伸び側に5センチ・短み側にも5センチが、メーカー側のだいたいの設定になっています。

ハスラーは、ちょっと、すでに、伸び側よりになっていて、純正ショックに「リバウンド」で、ショックが引っ張られた時に「15ミリぐらい伸びる構造」に出来ています。

最近、こう言うタイプのショックが、メーカーが、最初から装着しています。

これについては、「ストラットの付け根・ボディー側に負担がかからないように」とか、考えが有りやっていると事です。

判りやすく言うと、ストラットを「分解して、スプリングを外したら、ショックの長さが、少し短みます」

そこの15ミリぐらいには、バネが入っていて、その力を使い、ショックが伸びきった時に、ボディーなどに、来る衝撃をうまく吸収させて、ストラットの付け根などの負担をうまく軽減させる仕組みです。

最初は、フロントはノーマルケースを加工して、ビルシュタインのショックカートリッジタイプの交換で、作りましたが、これでは、先に述べた「有効ストーク15ミリまで」の、同等の長さが確保出来ず、まったく、一から作り直さないと駄目な事になりました。

結局、ケース自体を製作したりして。まあ、こんな事をしているから(笑)、こうなると 妥協せず、出たー悪い癖・・・。

ハスラーでなく、レースカーなどと同じ構造。

じゃーついでに、フロントに車高調整。

まあ、どんどん進み、ハスラーには、凄すぎるぐらいになりました。

もともと、スプリングバネレートは、ノーマルでも悪くはないので、ノーマルでの、ハスラーの「若干、しり上がり」は、フロントの調整で「約1センチ」。

フロントのみ車高を上げて、ショック有効ストロークも、少し伸ばしています。

こうして色々とエラーとトライの繰り返しを、何回もして、完成しました。

メンバーブロックより大変・・・・・・(笑)

勿論、ノーマルハスラーにも、是非、お勧めします。

先ほども、触れましたが「ハスラーは、車重が軽い」ので、ノーマルバネレートを、基準にして有ります。

違うバネを使用する場合や、その他については、ご相談下さい。

2014年は、ハスラーにはじまり、ハスラーで終わりそうです。

尚、4インチキットは、生産が追いつかず、若干、納期などで、ご迷惑をおかけしたことを、この場を借りてお詫び申し上げます。

部品構造が「複雑・尚且つ、どこも、安くは作ってくれない(笑)」

毎回、オールハンドメイドで、現在生産中です。

最後に、メーカーは、開発に時間をかけてクルマを作ります。

アフターメーカーの俺たちでも、やはり、メーカーの出している数字や角度には、すべて 意味があり、そこを、勉強・参考にて、いつも、チャンプ親父が言う「変えて良いところと、駄目な所」を、考えて部品は、作らないと30年改造をやってきた俺たちでさえも、常に思っています。

それでは、来年も宜しく・・・・・・。