フロント独立懸架について(その2)
今回は、フロント独立懸架の調整について少し触れてみます。
まずは「前後の車高のバランスについて」
リアリジットで、フロント独懸と言う車が最近は多くなり、その中でも「サスのユニット」が「リアはコイル」が、ほとんどですが、フロントが「トーションバーとコイル式」コイル式でも、「ストラットタイプ」に分かれます。
まず、フロントについては前回もふれましたが「オフロードを走れるクルマ作りとして 優先は「ドライブシャフトの角度」で、どれぐらい車高を上げられるか決まります。
良く「シャフトブーツが切れる」と言う質問がきます。
基本的には、ブーツのジャバラのゴムなどが密着して擦れ合い、特に、フルタイムのように、常時「フロントシャフトが回っている場合」特に、車高を上げすぎると切れやすくなります。
それと、だいたいのくるまは「左右のシャフトの長さが違う」ので、どちらかと言うと短い方が、角度がきつくなるため上げた時、早くなりやすいのは間違いありません。
ですから停止させている状態でフロントの車高を何も考えずに上げると、特に走りだした時に問題が起きます。
ここで、トーションバータイプのクルマなら「比較的、簡単に、上下左右の調整を出来ます」が、ストラットの場合は調整の出来るタイプの物でないと出来ません。
ノーマルショックのように、調整機能がない場合は上がり過ぎないサスを選んだ方が良いと思います。
最後に、フロントの車高を「町乗りだけで設定するのか」「オフロードを走れる仕様にするか」の選択は、フロントにあわせてから、リアを決めたほうが良いと思います。
これも、良くある質問で「リアの車高から見るとフロントが足りないので、もっと、フロントを上げられないか?」と問い合わせが有ります。
見ると、かなり横からみたら尻上がりになっています。
あまりにも後ろが上がり過ぎフロント荷重になり、さらに前が下がると言う「イタチごっこ」になってしまいます。
そんなことで、まず「フロントを決めてから」、リアについては、釣りに行く方など「比較的荷物の状態など」考えて、積んだ時を、優先にするのかとか「色々と相談しながら、当社では決めてます」
比較的、特別装備のクルマなどのスプリングの製作や競技用などは、すべて色々な状況を想定して試作・テストをします。